成田山新勝寺参道
(千葉県成田市)

成田空港からも近く、今では新しい日本文化の発信地になりつつある成田山新勝寺、多くの人で長い参道が賑わう光景は「流石」

調査日 2013年1月

正月の初詣参拝客は3日間で300万人、初詣の仕掛けは成田山新勝寺から

新勝寺は真言宗智山派の大本山で本尊は不動明王を祀る。元々、関東での「平将門の乱」を鎮めるために、京都の神護寺から不動明王を移し、平定後今の地で創建されたもので、1000年以上の歴史がある大本山。 江戸時代にも人気があり、「成田講」などの組織で、成田詣が活発になった。
正月の三が日の参拝客は300万人の大人気で大変な混み合いになる。 前に情報番組で流れていたが、今の様な初詣は江戸時代にはなくて明治になってからの行事であって、成田山新勝寺が東京から成田までの土地を新勝寺が保有しており、その土地に今の京成電鉄を誘致し、大量の人が正月に「成田山新勝寺に初詣」が出来るようになったそうです。 全部の土地を所有していた事も凄い事ですが、初詣という行事を創り出して行くアイデアにも感心します。 当時の切符は、富くじ番号がついたりする面白いアイデアもあったそうで、洒落っ気もあったようです。 まさに、明治時代からの「鉄道文化」の到来を上手く捉えた機敏なひらめきと行動だったと思います。

新勝寺への参道沿いに老舗がずらり並び、光景が素晴らしい

その成田山新勝寺から、京成電鉄とJRの成田駅までの間の1kmくらいの参道沿いに、多くの老舗商店が営業を続けられており、佇まいも非常に歴史を感じる建物が多く、独特の良い雰囲気を醸し出している。
参道は、成田山新勝寺の向かって歩くと緩やかにカーブして、途中から下り道が続く この道が何とも言えない日本の風景で素晴らしい。 下り坂が始まる場所では、新勝寺の「三重塔」が見え始め、両脇には有形文化財の建物がならび、鰻を焼く匂いなどが流れ、鉄砲漬などや芋羊羹の売り子さんの声が聞こえ、50年ほど前に戻るような疑似体験が出来て とても新鮮な感覚になれます。
しかも商店は、殆どが地元の商店で、昔ながらの商売が続けられている。 前出の鰻、芋羊羹、お漬物、佃煮、地酒、薬、煎餅、落花生などのお店が殆ど、スターバックスなどは無いので興ざめもしない。(*スターバックスが悪いわけではありません) これだけ商売が長く続けられているお店が多いのも数少ない例でしょう。
まさに、成田山新勝寺の繁栄と一緒に生き続けているのが この参道沿いのお店である。 参道沿いの商店街も、かなり多く歩いて調査してきましたが、「光景」「規模の大きさ」「お店の繁盛具合」「活気」を考えると、日本でもトップクラスに位置すると思います。 

新勝寺とともに栄え、ともに努力

中でも、芋羊羹で有名な「米屋総本店」は凄い集客力で、多数お店を構えているが核になっている店舗には、参拝客の殆どは訪店されているのではないでしょうか? 年間1000万人が新勝寺にはお参りされるのですから、強烈な強さがそこにはあります。 この「米屋総本店」の一番人気の「芋羊羹や栗羊羹」は、新勝寺の僧侶の「精進料理」がルーツになっています。 その事から、成田山詣でのお土産が「米屋総本店」の羊羹になって行きました。 まさに、成田山の偉大な力と、堅実な仕事を長く続けてこられた米屋総本店さんの努力が合わさった形だと思います。
鰻の「豊川」も有名で、多くのお客様がここを目当てに来られる方も多く、連日混み合っています。 元々関東は、利根川などでも鰻がたくさん取れて 江戸時代に栄えた場所では「鰻の名店」が多くあるのが特長でもあります。 ここの「川豊」も建物は古く、非常に趣があります。また、お店の一回のオープンな場所で、鰻を捌き、そこで焼くので参拝客の胃を刺激する匂いと目から入る刺激とで、非常に効果も出ています。 
お漬物を販売するお店も多く、この地は「鉄砲漬」が名物になっています。鉄砲の様に、中に詰めてお漬物にするのですが、やはりネーミングの漬け方が良かった事で「成田山の名物」の仲間入りができたわけです。  日本全国には、色々な観光地があり名物がありますが、今でも残っているモノの多くは、ネーミングやユニークさ、また物語性がある物が残っています。 美味しさだけでは残っていかないのはいつの時代も同じです。
落花生を扱うお店も多く、色々な商品のバリエーションがあり、見ていても飽きません。最近は、中国製の物がスーパーを中心に流通されていますが、千葉の名産物としてここ成田山でも力が入っていました。

国際化が進みつつあり、これからの対応も課題の一つ

成田の駅は京成電鉄の成田国際空港駅の一つ手前の駅に当たります。 この事から、海外のお客様が帰国される時に、時間の調節も兼ねて「成田山詣」をされるお客様も急速に増えています。 調査した日も、アメリカ、ヨーロッパ、アジアからのお客様も多く楽しまれていて、買物もされています。 
しかし、残念ながらお店の案内やPOPも日本語のみ、会話も殆ど通じていない様子でした。 これからの課題だと思います、成田空港に こんなに近くで「日本らしい」場所があり、成田山詣もできて参道沿いの散歩が楽しめ、日本の文化をたっぷり楽しめる、しかし それを充分満たす事が現状では難しいのが今の成田山参道沿いの商店飲食店の課題だと思います。 これは、簡単に直して行く事が出来ますし、皆さんが力を合わせれば全く問題ありません。しかし、誰かがリーダーになってやりださないといけない事なのだと思います。
言葉の違いは大したことありません、おもてなしの気持ちがあれば充分乗り越えられる壁なんです。

成田山では、魅力的なイベントがいっぱい、それがまた魅力を増幅させています。

正月の初詣、2月の節分の豆まき、梅まつり、踊り花見、成田太鼓祭り、成田祇園祭、薪能、鰻祭り、盆踊り等など書ききれないくらい魅力的な行事がいっぱいです。 その度に、多くのお客様が参拝を兼ねて観光に訪れます。そのためには、商店の皆さんの計画と協力が必然的になりますが、参道型商店街の特長の一つとして、行事には積極的にお店が協力されている事があげられます。 成田山新勝寺があってこそ、自分達の生活があるという考え方が、先祖伝来の教えになっている事も重要な事だと思います。 「お陰さまの文化」がここにも生きています。
時代は変わっても、その気持ちが失われない限り繁栄が続くと感じます。


2013成田山新勝寺 (188).jpgこの風情、光景が一番の魅力
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