株主優先経営で良いのか?

お客様?従業員?株主?

2012年5月24

MP900382654.jpg会社は誰の為にあるのか?
 この疑問に応えるのは中々難しくなっている。
経済学の本では、殆どが「会社は株主の為にある」と書かれている。確かに、株式会社を設立する時には資本金を集める段階でも、株主が必ず存在する。その事業規模や展開規模により 設立時や新たな事業展開に多額の資本を集めなくてはならないし、大規模であれば株主を市場で探さなければならない。その株主が出してくれる資金により事業を展開するわけだから「株主優先」というのも道理は分かる。
 グローバル化が進み、日本人も短期的な投資目的の為に「株」を購入し、一時的にその会社の「株主」になり 株価の上下に一喜一憂するようになった。
 このような短期的な投資家が増えるのは、銀行金利も限りなくゼロに近づき株式市場への投資も仕方ない時代でもあるし、株式購入も立派な手段であり世界の常識である。ようやく日本人の資産運用が世界に近づいてきたとも言える。
 日本で活躍している企業の多くは、戦前や戦後すぐのような会社が多い。
 この時期設立した会社の株主、個人株主でも企業・銀行でも多くは「その会社を応援したい」「その会社が好きで 必ず伸びる事を信じている」「魅力ある経営者に惹かれて応援する」「世界にひと泡吹かせてほしい期待感」など、対象の会社を愛してやまない応援者が多く占めていた。
 会社への熱いサポーターであって、マネーゲームを優先している人たちでは無かった時代でした。
 そのような時代の株主と今の時代の株主とは 明らかに「質的」に違う。サポーターの株主は、経営者には「長期的」に考えて必要な投資や「夢のある商品」を開発、販売するのを望むが、投資目的の株主は どうしても短期的な利益中心になり、視点が長期的に向かないし、関心時は最終的に株価により自分が儲かるか損するかのみである(サポーターも儲からないと困りますが)。 

 今一番問題だと思うのは、経営者自身が「株主」と「株価」に過敏になり過ぎている点である。マスコミも、「株価」や「株式時価総額」のニュース報道が多いので、経営者の迷いも勿論理解できるが、業績を伸ばしている会社の多くは「お客様」や「従業員」を大事に考えている会社が多いのが興味ある所である。
 「お客様」を最も大切に考えている会社は、従業員もその「顧客第一主義」が徹底されているので お客様との接点を強化し、距離を短くしているので不況でも比較的強いし お客様も支持し続ける。
 また、従業員を一番大切に考えている所は、不況でも人員カットなどしない、そのことに従業員は「義」や「恩」を感じて、頑張る力が組織的に出て不況を乗り切っている会社が多い。「お客様」か「従業員」のどっちを優先するべきかの判断は難しいし、業種や業界、規模などによっても違うであろうが、同じレベルで大切な対象だろう。
 しかし、株主を最優先している会社は 非常に苦境に立っている会社が多い。
 そのような会社の経営者に「どれを一番大切に考えていますか?」と質問しても「お客様です」と答えは返ってくるであろう。 
 しかし、「顧客第一主義」が徹底していない会社は、お客様ががっかりしてしまう事を繰り返す。例えばキャンペーンなどの景品を届ける場合にも「御礼状」が無くて景品その物を届けたり、応募してもらったことの感謝やお礼などを上手く表現出来ていなかったりする。(コストダウン意識が強すぎたり、気遣いが生まれない体質になる)
 これは、担当者の問題ではなく、その会社の体質や組織の大きな問題である。
だから「がっかりさせること」を繰り返してしまう結果になり、どんどんお客様が離れて行く。折角、お客様がキャンペーンに申し込んで、運よく当選して景品をお届けする時に「どうして、もっとそのメーカーが好きになるように感謝の表現が出来ないのだろうか?」と不思議でならない。
 しかし、そんなメーカーでも株を持っていれば、株主総会がある前には、立派な案内と会社レポートが送られてくる。
 「そんな一瞬の事より、お客様との接点をもっとしっかりして、よい商品をもっと出して実績を出して欲しい」と思っている人が殆どだと思う。サポーター的株主でも投資目的株主でも その点では同じなのであるが、応援しているサポーター程 その思いは強い。

 アップルコンピュータは、ついに株主に対して「特別配当」を出す事を決めたが、それまでは、良い業績を出して「株価」が上がることで株主に対しては貢献することを長年やってきて、特別配当などはしていなかった。
 夢のある素晴らしい商品の開発、新しい取組、未来への投資 多くのサポーター株主はそう思っているのはないだろうか? 
株主最優先志向は多くの株主をがっかりさせる事に繋がっている事を、よく考なければならない。

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