常に「お客様本位」の気持ち

博多豚骨ラーメン店に見る「お客様本位」の姿勢と対応

2012年4月17日

200px-Hakataramen222.jpg今回もたまたまラーメンの話になって大変恐縮です。
 昨年ある所で、勉強会をさせて頂いた時に「ラーメン店のお客様本位の姿勢」という題で少し時間を取りました。
 ラーメンは、明治初期から日本の食文化に根付き始めました。屋台から始まる「黎明期」、戦後から昭和30年くらいまでの「定着期」、チキンラーメンなどの即席麺が発売された時からの「発展期」、90年代から第2期ブームの「多様期」と私は言っていますが、「多様期」になってお客様からの要望に応えることが多くなってきたと思います。
 それは、「麺の固さの好みをオーダー出来ること、油の量の好みを伝えること、味の濃い薄いの好みを伝えること」等ができるなど多くの個人の要望が出てきて、お店もそれを対応する「顧客対応力」を発揮するようになったという事です。今ではすっかり定着しましたが、30年前ではあまり要望もしないし、仮に要望があっても対応できない(しない)時代でした。 
 私は勉強会では、「ラーメン店が個々にお客様の要望があがって対応しているのだから、中華料理屋店や和食店が、もう少しお客様の要望を聞き入れる事も必要な時代になっている、また老齢化社会では、味を少し薄くすることや量などを考えなおし、お客様にあった状況でサービスする時代です」とお話しましたが、中華料理店も和食店もあまりそんなサービスはあまり見掛けません。

 では、なぜラーメン店だけが、顧客からの要望に対応するのでしょうか? 

 一つは、「お客様が言いやすい環境を作っている事」があります。POPなどで 「麺の固め柔らかめの指定を言ってください」と明示しています。
2番目は、どこかが顧客対応をするようになって 自分のお店でも同じように対応しないと「お客様の満足度」を落としてしまうから対応するようになったこと。
3番目は 定着してしまったのでやらざるを得ないこと 
4番目は ラーメンの製造工程では対応しやすかったこと 
などが挙げられます。
 博多とんこつラーメンは大変人気が高い一品ですが、麺の固さを選ぶには7種類あるそうです。1番固いのは「粉取り」 2番目は「はりがね」 3番目は 「バリ固」 4番目は「固」 5番目は「普通」6番目は「やわ」7番目は「バリやわ」 1番目の「粉取り」は数秒しか湯につけない、まさに麺についた粉を落とすくらいという事です。

 博多では食文化がすごく発展しています、私も日本中を回り、夜の繁華街も殆どの所を回りましたが、博多の味が(ラーメンだけではなくて)一番おいしく感じましたし コストパフォーマンスも他の地域に比べて圧倒的に良いと思います。
 「何故、こんなにも博多の食べ物はおいしいか」ですが、
①新鮮な食材が取れること(食材の豊富さと新鮮さ 特に魚系)、
②中国などの大陸文化が早くから入ったこと(文化の融合)、
③九州では江戸時代に色々な「藩」に分かれ、それぞれの藩主が他の藩に負けないように自国の食文化を作ってゆき色々な物が出来上がっていったこと
等(切磋琢磨)があると私は考えています。

 そんな土壌で育っている「博多っ子」は味も肥えて、人の好みも細分化され、また早くから外国の文化と接していて社交的なので要望も口にして出す、お店側はそれに対応しないと商売ができないので どんどん対応してゆき バリエーションが増えて行ったと考えています。
 しかし、根底には「一番おいしい味とサービスでお客様の喜ぶ顔を見たい」というラーメン店の店主の考え方が、幅広い対応力を作って行ったのだと推測します。一つのラーメンに、7種類の固さ、それに脂の量を入れると 実に21種類のバリエーションになるわけですので、作る方も、オーダーを取りサーブする方も大変になりますが、それが出来るのは「ラーメン職人のお客様本位の姿勢」でしょう。「効率」は悪いけど 「効果」が高いのです(「大切にしたいこと」のトップページで説明しています) 
 この対応力はラーメン店以外にも必要になっていると思いませんか?