日本人は 世界一「長期的思考」の持ち主だったが・・・・

日本庭園と英国庭園の違い

2012年3月12日

2009a大原 (14).jpg英国に赴任していた頃(今から20年前)の事であるが、住んでいる近くで「Jananese Garden」や「Japanese KOI(鯉)」という看板をよく見た事がありました。
その時は、「日本庭園も少し人気があるのだなあ」位の関心で、さして気にも留めず英国庭園ばかりを見ていました。英国はバラで有名ですが、有名な公園では春から秋にかけて 大変美しくバラとその他の花が咲きほこります。 花は観賞用に植えられますが、多年草であったりもしますが、一年草も多く 多様な色で楽しむ事が出来ました。
 日本に帰国してからも、日本の本屋さんには「English Gardeの勧め」の様な雑誌が沢山出版されて、英国庭園ブームになっていました。 そこで、日本庭園と英国庭園を改めて考えるようになりましたが、全く違う発想で作っているという事に気がつきました。
 英国庭園を楽しむ時に欠かせないのは、花ですが多くはその年に植えた花で、あっという間に育ち、きれいな色で誰でも楽しめる事が出来ます。
 しかし、日本庭園ではそうではありません。 日本庭園を作る庭師は、何十年も後になった時の光景を考えて、木を植えてゆきます。木は大きくなると樹形も変化し、3年後の光景、10年後の光景、30年後の光景が全く変わりますが、京都や奈良の様なお寺などの日本庭園では何百年後の姿を想像しながら、その時の庭師が庭を作ってゆきます。
 今で言うと 未来の「グランドデザイン」を作るような作業です。そんな、未来志向で長期的な思考で作るから、「感動出来る作品」に仕上がるのだと思います。
 後の庭師も、その当時の庭師の考え方に敬意を払いつつ、また最良の物に作り上げて行く技能が育つのです。
同じ庭でも、「花」と「木」では 全く違う発想で作らなければなりません。
日本人は、農耕民族、定住型の生活をしていましたので このような長期的な思考も出来たのかも知れません。
しかし、最近は 欧米から輸入されてきた「短期的思考」の経営が多くなり、それを美化するような「スピード経営」や「ベロシティ経営」というような言葉がそれを加速させています。短期的に上がる売上は 短期的に落ちる物が多いのも事実です。
 もう少し、日本人の持っていた「長期的な思考」を考えなおす時期ではないでしょうか?