心の琴線に触れるお客様対応 企業姿勢と各担当者の対応 
素晴らしさに感激   「東京イギン」さんの例

久々に感動した顧客対応のお手本、「お客様本位とはこういうこと」と改めて思った。 こんな企業スタイルを日本はいつからか忘れているのでは?

igin.gif妻が「礼服のバックルが潰れていた、もう古いので新しいのを買うしかないだろうか?30年以上前に記念にもらった物で 他は大丈夫なんだけど」と私に相談があった。
 礼服などは冠婚葬祭以外には着ないので殆ど傷んでいない、幸い妻も30年前とそんなに大きくは体型は変わっていないので「もったいない精神」から 「その服を製造しているメーカーに確認でもしてみたら?責任感のあるメーカーだったら何とかよいアイデアをくれると思うよ」と答えた。
 妻は、内心は新品を買うしかないだろうと思いながら、そのメーカーに電話をダメモトで掛けてみた。
そのメーカーは「東京イギン」さんだった、東京イギンさんはオーダーメイドで洋服を作る老舗メーカーで、多くの人がフォーマルウエアやドレスなどを作られている会社で 以前は良くテレビCMも流れていたので名前だけは知っていた。
 妻が、ダメモトで電話をかけた東京イギンさんの電話応対してくれた担当者様から出た最初の言葉は「長年、弊社の製品を大切に使い続けて頂き、本当に有難うございます。長年、愛し続けてもらっていることに、本当に嬉しく思います」と大変丁重なご挨拶で、しかも心からそうおしゃっているのがよく伝わる真摯な方でした。
 妻も、「30年以上着ているので、言うのも悪いのですがバックルが壊れてしまい、同じようなバックルを市場で探したのですが どこにも売っていないので どこかご存じないでしようか?」とおそるおそる伝えました。
 対応して頂いた方から「その当時の製品のバックルは、全て鋳型から作っていたのですが、大変申し訳ないのですが今は鋳型の職人が全て退職してしまい、同じ物が出来ないかも知れません。それでも、何とか出来る限りの事はしてみますので、もし良ければ服を送ってもらえませんか?」とのご対応でした。
妻もiginのコピー.jpg私もこれには少しびっくりしましたが、その服を送ると 東京イギンの違う女性から「大切な品物が今到着しましたので ご安心ください。大切にして頂いて本当に有難うございます、出来る限りの事はやってみますのでお時間をください」という電話をもらいました。
 クレームではないが、修理品の到着の確認を電話でもらう、しかも丁寧に真心がこもった言葉で頂きました。 中々出来る事ではありませんし、信頼感が強くなりました。
 電話のやり取りは何回かありましたが、その時にすべての方が「大切にして頂き嬉しいというような気持ちを感じる言葉」があり、この東京イギンさんという会社のお客様本位の企業姿勢とメーカーとしての感謝と誇り、従業員の方の質の高さを感じるとともに、企業内での考え方の徹底が出来ている事に感心しました。
 昨今は、価格本位の商売が幅を利かせるようになってきて、修理などしなくて廃棄という事にユーザーもメーカーも慣れてしまっています。ましてや、礼服のような物は一生に一度か二度しか購入はしませんので、メーカーとしてはいくら丁寧に応対しても 再度購入の可能性が少ないと思います。
 そのようなカテゴリーの商品にはぞんざいな対応をしてしまう事も多いのが昨今の現状だと思います。
しかし、この会社は全く違いました、久々にお客様対応のお手本、企業としてあるべき姿を見たような気がして大変気持ちのよいものでした。
 何か職人の「頑なな信念」に近いものを感じました。何回か東京イギンさんのご担当者と妻との電話でのやり取りがあった後に、最終的に商品が修理されて我が家に届きました。バックルは、見事に新しいモノになっていて、その礼服に最初からあったバックルと勘違いするようなぴったりのバックルが付けられていました。
 しかもその他の部分も綺麗にリフレッシュされていて感激がさらにアップし感動になりました。
 そして、丁寧なご担当者の方からのお手紙が入っていました。
その文章は、ご担当者の方の日頃思っていらっしゃるお客様への気持ちが 凄く伝わる内容で、今でも素晴らしいお手本として大切に保管しています。
東京イギンさんという会社が日本にあること、今でもこんなに丁寧に対応している会社があることを 日本人として大変誇りに感じました。私がこれまで経験してきた色々なメーカー等の「顧客対応、お客様本位の姿勢」の中で、一番素晴らしく感じたものでした。
一人ではなく、会社の全員が「感謝」を忘れず、つねに「顧客本位」の対応を心の底から出来ることは経営者の高い「志」と「熱意」「信念」から生まれ始まるものだと思いますが、それが継続できる社員の高い「質」は まさに心の琴線に触れるサービスでした。
いつか、娘や息子が礼服を新調する時には「東京イギン」さんを勧めたいと思います、それが似合う立派な人に育てるのが難しいですが。

たった一度の出会いかも知れないお客様でも、誇りをもって一生懸命に対応する。お客様の事を一番大事に思い、行動してゆく。 また それを周りの後輩が見て「手本」にしてゆく それが企業文化になるのだと思います。昭和の時代までは それがあり、最近では完全に失われつつある。
今こそ、もう一度「お客様本位」ということを考え直す時期ですね。